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coLLabo プログラム(つながろプログラム)


2020.03.31 12/21(土)・2/22(土)『L・セクマイ女性×パートナーシップ』終了レポート

coLLaboホームページをご覧の皆さま、こんにちは。

本日は、12月21日(土)、2月22日(土)に開催しました二回連続プログラム「L・セクマイ女性×パートナーシップ」の終了レポートです!


L・セクマイ女性のカップルは、男女カップルのようなパートナーシップを支える制度がないことが一因となり、関係性を長く続けられないことがあります。一方で、男女カップルが制度があれば全部円満ではないように、制度とは別にお互いの関係性をどうやって構築していくか?ということはL・セクマイ女性にとっても大きなテーマです。

coLLaboでは、このふたつの課題は両輪でありどちらもパートナーシップの構築には欠かせない要素であると考えました。これを一度のプログラムで実施するのは盛りだくさんすぎると思い、今年度はパートナーシップのテーマを二回に分けて開催することになりました。


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第一弾は、パートナーシップにおけるカップルの関係性を考えるプログラムとし、サブテーマを「他人だったふたりが共に生きるために」としました。

過去プログラムで話題になりやすかった「ケンカ」「お金」などの課題を切り口とし、二組のカップルの事例から信頼の築き方や愛情の伝え方など、できるだけ具体的に実践しやすい工夫をご紹介しました。それを資料にまとめてお伝えするというcoLLaboとしても初の試みも行い、それをもとに後半では交流タイムも実施。あまたある男女のカップルの記事や本には及ばないかもしれませんが、これから先の、何かの折にふと立ち止まり思い出してもらえるような内容を目指しました。


そして、第二弾は専門家をお呼びし、L・セクマイ女性のカップルが利用できる制度面からパートナーシップを学ぶプログラムとし、サブテーマを「大切なひとと『かぞく』になろう~」としました。

自分たちのけじめとして、同居したり、挙式したりなど実行しているカップルは見られるようになってきました。それでも、カップルがどんなに想いあっていても、法的、社会的には『かぞく』とみなされない場面はしばしば発生します。

利用できる社会保障制度の少ない中で、大切なひとと『かぞく』になるためにはどうしたらよいのか?について、特定非営利活動法人パープル・ハンズ理事で行政書士の永易至文さんを講師としてお招きし、「公正証書」や遺言状、自治体のパートナーシップ制度などの各種制度について体系的にお話しいただきました。


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第一弾では15名の参加、第二弾では38名の参加となり、非常に多くの方に関心いただけるテーマなのだと再確認しました。

参加者の方からは「資料は保存版にします」「愛情の伝え方に様々な方法があるのだと知れてよかった(第一弾)」「パートナーと共同生活を送るということが法的・社会的にどのようなことなのか、知ることができ大変勉強になりました。期待以上でした(第二弾)」などの感想をいただけました。

※第二弾の質問コーナーで答えきれなかった内容については、この記事の末尾に記載しています☆


L・セクマイ女性を取り巻く環境は、お互いの関係性の構築についても、法的な知識をつけ開拓することについても、切り開いていかなければならないことも多くあるかと思います。

ただ、そのたびにすぐ諦めてしまうのではなく、お互いの情報を交換しあったり、専門家に知恵をいただいたりしながら、まだまだやれることはあるのだな、と今回のプログラムを機に改めて実感しました。

何も特別なことが欲しいわけではなく、ただ、地に足のついた生活を築いていけるように、これからも取り組んで行きたいと考えています。


ご参加くださいましたみなさま、本当にありがとうございました。


coLLaboは年度末を迎え、現在は今年度の振り返りと、来年度の計画をしています。新型コロナウィルス感染症対策により、第二弾のプログラムで告知した東京レインボープライドへの出展は中止に伴い叶わなくなりましたが、この今というタイミングで何ができるかな?と鋭意検討中です。


みなさまも生活の変化を余儀なくされている方もいらっしゃるのではないかとおもいます。また、年度末、年度始めでお忙しい方もいらっしゃると思います。お体に気をつけて、またお会いできることを楽しみにしています。


coLLabo事務局


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追記:第二弾のプログラムの質問コーナーで、時間がなく答えきれなかった質問(主に「他のカップルさんへの質問」)について、スタッフ間の意見ではありますが回答してみました!参考までではありますが、ぜひご覧ください☆


Q1:今日永易さんのお話をきいて、結婚制度ができたら結婚したいと思いましたか?それとも、今使える制度を使い続けたいと思いましたか?

A1:これは、当日挙手などできたらよかったかもしれない質問でしたね。申し訳ございません。スタッフにヒアリングしてみましたが、スタッフの意見も色々でした。より強固な社会保障を求めて婚姻制度ができたらまず利用し婚姻制度の中にある問題点はその後解決できるよう動いていく(選択的別姓など)という意見や、今使える制度を使い続けながら結婚についてゆっくり考えていくという意見、あるいは、婚姻制度を使い細かい内容を公正証書で補っていく方法もあるのではという意見がありました。

制度も大切ですが、お互いの状況もあるかと思います。それに合わせ、その時の最良の方法を選択できるのが一番かなと思いました。


Q2:カップル同士で交流する場所はありますか?どこで情報交換されていますか?

A2:スタッフ間で確認してみましたが、友人関係以上の情報交換先を持っているカップルはあまりいないのではないかと考えています。場合によっては、コミュニティではなく学校や職場で知り合いカップルになった方もいるので、自分たち以外にリアルなカップルがいないこともあるのでは…?と感じました。カップルのリアルなパートナーシップのありようをどう伝えていくかはcoLLaboとしても課題と考えていて、将来に向け検討しています。


Q3:パートナーシップを結んだふたりが子どもを作ることができる医療機関はありますか?

A3:申し訳ございません。現在L・セクマイ女性のかたが子どもをもつことを視野に入れている方が体感として多いことは把握していますが、現在すぐにお答えできる知見がありません。医療機関ではありませんが、取り組まれている団体さんをご紹介しますので、ぜひ直接アクセスし、具体的にお問い合わせいただければと思います。

●一般社団法人こどまっぷ(https://kodomap.org)

これから子どもを持ちたいと考えている、子どもがすでにいるLGBTQの方たちに、交流や情報交換の場を作ろうと当事者有志数人で活動をしておられるとのことです。